大人の中で大人ぶった事してるケド結局ぶってる子供って丸々お見通し

 

 

「ふあ~ぁぁぁ~」

「随分とでっけぇ欠伸じゃあねぇかぃ。土方さん、昨夜は遅くまでやりまくりですかぃ?いや朝までか?
こんちくしょー!!」

「ああ?」

「女だけじゃあ、飽きたらず、
男まで毒牙に掛けるったぁ、
とんだ女っ垂らし・・・
イヤ、腐れ外道でぇ!!」

「なんだとコラっ!!」

「なんだとコラっ!
じゃねぇぞコラぁぁぁ!!
アンタ、俺を追っ払ってパー子姐さんと何してくれてんだァァァァ!!
朝までやりまくりったァ、どう言う事ったァァァ!羨ましいぞぉぉ!!
俺だって、ものっっそいいっ、パー子姐さんの事ァ気に入ってたのによォォォ!!
ちっくしょォォォ!」

「なんだテメェ、
昨夜の事を根に持てっんのかよ。
しかも、パー子とやりまくりが羨ましいったぁなぁ」

何スカした顔してやがるんでぃ・・・
土方ァァァァ・・・
万事屋の旦那と
やりまくりのくせしやがって・・・
何気に旦那との関係認めてんじゃねぇぞぉぉぉ!

「なんだよ?」

土方めェェ~~!

「なんでもかんでも自分の思い通りになると思いやがって・・・
俺の欲しいもの、大事なもの、総て苦も無く手に入れやがって・・・
今に見ていやがれ、
目に物見せてくれるわ!
土方めェェ~~!!」

「オイ総悟、総悟?」

「気安く総悟なんてぇ、呼び捨ててんじゃあ
ねぇぞぉぉぉ~~!!
コルアァァァ!!
土方ァァァ~~!!
死ね~!死ねェェ!
マジ死んでくれぇぇぇぇ~~!!」

「総悟ォ~、オメェなァ、心の声、だだ漏れだぞォ~
丸々聞こえてんぞォ~お~い、総悟ォ~」

「ええッ?聞こえてやしたかい?
子供の言う事ァ、気にしねぇ事ってすぜ土方さん」

なんでぇ、聞えてたのかぃ!

「今更気にしねぇよ」

土方ァ、サラリと大人発言してんじゃあねぇぞぉ、気に入らねぇ、マジ、気に入らねぇ~~!!

「オメェ、自分じゃあ、
気付いてねぇみてぇだがな、
ほとんど口にしてんだよ、
大事なもの欲しいもの、って件もな」

「んじゃあ、俺の言いてぇ事ァ
わかったって事ですかぃ?」

「ああ、テメェの事ァ、
ちっせぇ頃から知ってんだ。
分り過ぎる位、分ってるよ」

土方のヤツぁそう言って俺の頭をグリグリと力強く撫で回した。

「子供じゃねぇんですぜ
頭撫でりゃあ良いってモンじゃねぇよ」

「オメェ今
“子供の言う事ァ気にしねぇ事った” なんて言ってなかったかァ?ああん?」

「んな事言いましたかい?
覚えちゃいねぇな」

空惚ける俺を笑う。

「まぁ、子供ったぁ思っちゃいねぇよ。まぁ、何だ、言いてぇ事が山程あるてのは、分ったぜ。
これからも俺を痛ぶって楽しんだら、良いじゃねぇか」

「マジですかぃ?
アンタ本当にドMじゃねぇんですかぃ?
自分から“痛ぶって欲しい”なんざ、普通言いやしませんぜ?
言った事ァ後悔しねぇで下せぇよ」

ニヤリとする俺に土方のヤツは引きつった笑いで

「おお!」

と、応えた。

チッ!
土方のヤツにゃあ何でもお見通しかよ!
嫌んなるぜ!

 

 


        おしまい