AFTER VALENTINE'S DAY

 

 

真撰組 屯所


起き抜けに近藤の豪快な笑いが響いていた

土方は二日酔いの頭を抱え目を覚ます

「痛っつぅ、朝っぱらからナニ、大笑いしてんだ?近藤さん」

土方の呟き

「昨晩、お妙さんから
チョコレートを貰ったらしいですぜぃ
勿論、義理チョコですがねぃ」

その声に土方は更に頭を抱える

「何でオメーが居んだ?ああ?
そして、何故上に乗ってんだ?
ああん?総悟ォ」

「なぁに、単なるイヤガラセでさぁ」

確かにイヤガラセ以外のナニモノでも無かった

「兎に角、上から、除いてくれ…
酸っぱいモン出そうだ」

沖田は舌打ちして土方の上から下りた

「んで?何でチョコレートなんだ?」

土方は胃を摩りながら起き上がり、聞く

「アンタ、マジですかぃ?昨日はバレンタインデーですぜぃ?」

沖田はびっくり顔で、土方を見る

「あ?バレンタイン?
なんだ、そりゃ…
マジでか!?」

何を、言ってやがる、とばかりに、怪訝な顔で言う、土方の表情が、見る々内に焦りの顔に変わる

「そうでさぁ、山崎なんか一個も貰えねぇって泣いてやしたぜぃ」

土方はガバリと、立ち上がり、そそくさ着替え始める

「土方さん、アンタ今日は休みじゃねぇですぜぃ?
サボりか?コノヤロー」

「俺ァ、夜勤だ
まだ時間がある」

「チッ!んで?
旦那とデートですかぃ?バレンタインだってのに昨日は約束、無かったんですかぃ?」

「テメェと話してる時間はねぇ」

土方は腰に刀を差すと、部屋を飛び出して行った

「ありゃあ、約束破りやがったな」

沖田は呟き笑った

 

 

 

万事屋


「銀時!銀時!」

怒鳴りながら土方は玄関の扉に手に掛ける

ガラリ

土方は鍵の掛かっていない玄関の引き戸を開けた

銀時のブーツが有るのを確認した土方は
勝手に上がり込み、和室に向かう

スラッ

「銀時!」

蒲団に潜り込んでいる 銀時の名を呼び揺する

「…んだよ…」

「銀時!!」

「うるっせぇぇぇぇ!!」

銀時は蒲団と一緒に土方を蹴り飛ばし
その蒲団と転がる土方を睨み付ける

「誰が上がって良いと言いましたかッ!!
出てけッ!!
コルアァァァッ!!」

「済まねぇ!」

起き上がり、取り敢えず謝る土方

「はぁん?
ナニ謝ってるか、意味分かりませんがッ!」

銀時の怒りは収まりそうに無かった

「約束破った!済まねぇ!昨日は捕物でゴチャゴチャしてて、忙しかった!」

今回の事は、自分の方が悪いと、自覚する土方は、珍しく平謝りする

「ああん?ターミナル占拠するの?爆破するの?
クッ騒いでる、エセ攘夷浪士共とイチャこく暇ァあってもォ!?
俺とイチャ付く暇はねぇ!って事ですかァァァァッ!
帰りやがれ!
コンチクショー!!!」

「イチャこいてねぇ!
闘ってたんだろーがッ!」

少しばかりムッとした土方は、我慢出来ず言い返す

「んだッ!コルアァァァ!忘れてたろォォォ!
テメッ!俺との約束!
忘れてたろッ!!」

「…忘れてねぇ…」

[やべぇな…
キレるよ…
コイツ…
取り敢えず…
ここは謝っておくか…]

土方はそう思い、引き吊った笑顔で、目を反らす

「嘘吐けェェェッ!!
目ぇ反らすんじゃねぇェェェッ!!」

土方の襟首掴んで揺さ振る

「うッ!酒臭せぇッ!
テメェェェェッ!!
俺との約束破ったくせぇしやがって、酒飲みなんざしてたのかッ!!」

「悪ぃ…」

「悪ぃじゃねぇよ!
テメェ、仕事早くに終わったよな?
取り調べとか、色々あったなァ知ってるが
なんやかや、早く終わったよなァ?
俺ァ、テメェが真っ直ぐ来ると思って
昨日は神楽を新八ン家に追い払ってまで
テメェを待ってたのによ」

「済まねぇ!
一晩中一人だったのか」

「ああ?テメェ以外の誰かと居て欲しかったのか?」

「んな訳ゃねぇ!
銀時、済まねぇ!!
俺が悪かった」

土方は銀時を抱き寄せる

「悪い自覚あんだ?」

「ああ、俺が悪い…
俺ァ…
捕物に気ぃ取られて
約束忘れてた…
しかも、酒飲み過ぎて、
潰れてた」

「ふぅん…
ま、テメェにとっちゃ
俺の存在なんざ
その程度なんだろうよ」

銀時は土方から手を離し、感情の無い目を向ける

「んな事ァねぇ
忘れてたのは、悪かった変え様ねぇ事実だ
だが、その程度なんて事ァねぇ!
絶対にだ!!」

土方は真剣に言う

「フン!ムカついたからテメェにやろうと思った
俺様特製、手作りチョコはやらねぇ」

真剣な土方に銀時は、厭味たらしく鼻を鳴らす

「手作り?」

土方の食い付いたのは、銀時の厭味では無く
手作りの方だった

「どーせテメェは甘いモン食わねぇし?」

内心、ニヤリする銀時は
土方をからかう事にした

「くれ、食う!
オメーが作ってくれたんだ、苦手だろーが、ナンだろーが食う。
食います。食わせて下さい!」

頭を下げる土方に銀時は

「イヤです。お引き取り下さい」

と、冷静に言う

「頼む!」

強く抱き締める土方

「うるっせぇ、帰れ!」

土方を引き離そうと、もがく銀時を、強引に引き寄せ

「オイ、銀時、そりゃあ、俺の為に作ったんだろ?」

睨む土方

「ホントは欲しくねぇくせに、睨んでもやらねぇよ」

銀時は悲しそうに、横を向く

「イヤ!欲しい!
マジ欲しい!
ものっそい欲しい!」

銀時は小さい溜め息吐いて

「んじゃ、放せ、取って来る」

と、土方から離れ居間に向かう


「ホラ、」

戻った銀時は、リボンの掛かった箱を差し出す

「オウ、ありがとな」

嬉しそうな土方を見て銀時は言う

「今、ここで全部食え」

土方は目の前にドッカリ座る銀時を見返した

「食えるよな?」

「ああ…」

土方はゴクリ生唾飲み込み、包みを開けた

中身は至極正面で、可愛いらしく、ハート型のチョコレートに、小花やハートがアイシングであしらわれた、凝った物だったが、土方にはよく分からなかった

「銀時が、作ったのか?」

「ああん?オメーにやるモンを誰に作らせますか?」

「ああ、上手いな」

「まだ食ってねぇだろ?
イヤか?イヤなのか?」

「イヤ、
そう言う意味じゃねぇ…
いただきます」

一大決心の土方は、深く息を吸い、チョコレートを見詰める

「おう!
坂田銀時スペシャルだ!心して食えよ!」

土方はハート型のチョコを取り上げ、恐る恐る口に運ぶ

それは確かに銀時スペシャルだった

生クリームと、砂糖のたっぷり入った生チョコ仕立てで、土方にとっては一口でギブアップしたくなる程に甘かった

「旨ぇだろ?」

「ああ…」

地獄の甘さだったが、 土方は笑顔を向けると、もう一口噛じる

「銀さんの愛情たっぷりだからな」

自慢気な銀時

「ああ…旨いよ」

土方は涙目になって銀時を見詰める

銀時はニッコリ笑顔を見せた

「もう、約束破ったりしねぇ?」

「ああ…」

「絶対?」

「ああ…」

「約束するか?」

「ああ…約束する」

「そうか
んじゃ、許してやる
泣きながら食うなよ
俺が食うから」

「済まねぇ…」

銀時は土方からチョコを取り上げ呟く

「なんでこの美味さ
わかんねぇかなァ」

と、幸せそうにチョコを噛じった

「食うなよ、俺ンだろ?
毎ン日、一口ずつ俺が食うから」

「マジでか?
何年計画ですか?」

「ああ?何年も掛からねぇ銀時にゃあ、向こうに、ケーキ買ってある」

「マジ?愛してるよ!
トシ!」

言い捨て、銀時は居間に走り行く

どこに愛があるのか不明な言い方だった

「?ん?どこ?どこにも ねぇケドォ?」

居間を見回す銀時

「玄関だ」

玄関に向かう銀時

それに付いて立ち上がる土方は居間に向かう

戻って来た銀時の両手には、大箱が二段重なったケーキの入った袋が抱えられていた

「なんで二個もあんの?」

「チョコと、生クリーム、二種類買った
どっちが良いか分からなかったからな」

正直、それはご機嫌取りの一つだったが
銀時が喜ぶ顔を見て
どうでも良い気がする土方だった

「どっちも好きだよ
食べて良い?」

ニコニコの銀時は嬉しそうに聞く

「今、食うのか?」

「ダメかよ」

「イヤ、」

「んじゃ、お茶いれるわ」

銀時は台所に向かいお茶をいれて戻って来た

土方の前にも湯呑みを置き、隣りに座ると
フォークを持って嬉しそうに、銀時はケーキの箱を開けた


「ああん!
超豪華じゃねの」

ご機嫌で銀時はケーキを食べる

土方の見ている前で、
円だったケーキの形は無くなり
次々に銀時の胃に収められていった

「ああん!んっめぇ!トシも食ってみろよォ」

口の回りに生クリーム ベタベタくっつけた銀時は幸せそうに言う

「食って、いいのか?」

真剣に聞く土方

「チョコっとな
全部はダメだかんな」

ケーキを抱え言う銀時に

「ああ」

土方は頷き、銀時の口元に唇を寄せ口付けた

「んぁッ!なんでチュー?なんでチューですかァァァ!!」

驚く銀時

「食って良いってたろうが違うのか」

悪びれず返す土方

「食うって、ケーキじゃ ねぇの?」

銀時は聞いてみるが、土方は

「可愛い顔して、ケーキ頬張りやがって
見てるだけで、おっ勃ちまったじゃねぇか
オメーを食わせろ」

怒った口調で、銀時を押し倒した

「なッ、ちょっ、まッ」

辛うじてケーキを死守した銀時

「テメッ!
ケーキがァァァ!!」

「そこかよ!」

「ああん?
人が食ってる時に
ナニ欲情してんですかァァァ!!」

銀時は叫び、土方は無視してケーキを取り上げた

「食わせてやるよ」

ニヤリする土方に

「テメッ!ちょっ!
ナニ考えてんのォォォ?!」

また叫ぶ銀時

「色々?」

土方は生クリームを指で掬い、銀時の口になすり付ける

「舐めろよ」

銀時は嫌な顔して

「なんだよォ」

と、呟いて土方の指を舐めあげ、ゆっくり唇を被せ、くわえ込み、土方の目を見詰めた

「おかわり」

銀時は指を吸って笑う

土方は笑い返し生クリームを掬い上げ、銀時の唇をなぞり、銀時は舌で追う

「ヤラシイなぁ」

舌を出し生クリームを舐め銀時は握っていたフォークをテーブルに投げ

「もう、後で良いよ
蒲団行こう」

土方を抱き竦める

「ああ」

土方はそう言いながら銀時の唇に唇を重ねた

「んッ…ああん…トシ…」

激しく口付け合い、銀時は喘ぐ

こうして触れ合うのは、一ヶ月振りの事だった

互いに貪る様に口付け、互いの躯をまさぐる

欲情に濡れた瞳で空を見る銀時の頬を両手で包み土方は呟く

「オイ、立てるか?」

「…うん…」

銀時は怠そうに起き上がり、寝間着を脱ぎ捨てながら和室に向かった

 

 


土方は銀時に口付け、舌を、唇を、這わし
首筋に、胸元に口付け、舐め、吸い、歯を立てる

小石の様に固く尖る乳首を爪先で弾き
強く吸って
銀時を喘がせる

熱を帯び、震える躯

硬く張り詰め、先走り、汁を滴らす銀時の金魂に口付ける

ピクン

脈打つ金魂を唇で捉え 土方はたっぷりと舐め上げ、しゃぶり、吸い上げた


滴りで濡れた尻を撫で、揉み込み穴に指先を当て撫で擽り
辺りで弄い指を遊ばせる

柔く解れ来る穴へ、ゆっくりと、少しずつ指を差し入れ、柔く揉み込んだ

「…ふっ…ンッ…ああ…」

硬さを増し、更に張り詰め、金魂は引き上げられ銀時が射精態勢に入ったのを土方は感じた

扱きを僅かばかり強め、舌先で鈴口を弄う

「はぁん…」

セックスする時にだけ漏らす、甘く掠れたい喘ぎ声を聞き、土方は口腔に放たれた精を飲み干す

「んんッ」

土方はゆっくりと銀時の金魂を舐め、再び硬くなるのを見ていた

「あぁ…トシぃ…」

音をたて揉み込まれる中がヒク付き、銀時はもどかしい、とばかりに腰を揺する

「トシ…」

「まだ、だ」

土方は銀時の悶える姿に煽られながらも、時間をかけて解した


その間にも銀時は、射精感に苛まれ、喘ぎ続ける


「ダメ…トシ…イクッ…」

「早ぇえよ、銀時」

「早くッ…挿れ…ろ…よ」

土方は促され銀時の両足を担ぎ太股に口付けて、ゆっくりと挿入した

「ンアッ…んん…いい…」

「悦いか、」

「うん、いい…」

土方にしがみ付いて銀時は微笑む

土方は銀時の髪を撫で、額に口付け

「可愛いな」

と、笑う

「ンッ、ごいて…」

「ああ、ゆっくりな」

言う通りにゆっくり蠢く土方に合わせ、銀時は腰を蠢かす

「じれってぇのか?」

笑う土方に頷き銀時は

「もっと…」

と、催促する

「分かったよ」

土方は笑って銀時の要求に応えた

 

「ああんッ…トシぃ…」

激しく身悶える銀時

土方は求めに応じる様に激しく突き上げ
その激しさとは逆に、ゆったりとした
柔らかなリズムで銀時の金魂を擦り上げた

「オメーはコレをゆったり擦られるのが
好きだよな
こうされると
堪らねぇんだろ」

「う…ん」

「ヤラシイよな…
いっつも…
こうやって、俺を煽りやがって」

「ンッ…ンッ…トシぃ…
トシのせい…だよ…
いろんな事…トシが…
覚え…させた…ああンッ」

「んな覚えねぇよ…」

土方は蠢きながら銀時の金魂をキュッと握る

「んんッ…
強く、握んな…
イキてぇのに…」

「ああ、そりゃ悪かった
イケよ」

土方は笑って、金魂をゆるゆると撫で擦り上げ、同時に強く突き上げた

「んぁッ…」

それだけで、銀時は土方の手を濡らした

「暫く振りだからな…
まだまだ、可愛がってやるよ…」

快感に躯を震わす銀時の髪を撫で、頬を撫で、唇に指を這わす

銀時は土方の指をくわえゆっくりと、ねぶる

「堪らねぇ…銀時…」

グッと、高まる射精感に土方は強く腰を弾ませた

「ひッ…ト…トシ…」

銀時は土方にしがみ付きのけ反り、激しい突き上げを受け止める


快感に打ち震える銀時を抱き返し、土方は銀時の中に放った

「あ…あぁ…」

掠れた甘い吐息を吐いて土方は銀時の上に躯を倒す

その土方を抱き締めて銀時は目を閉じた

 

 

気怠く俯せる銀時の背中を撫でながら、土方は煙草を燻らす

白煙をトロンと、眠たそうな目で追いながら銀時は、小さな吐息を漏らす

「大丈夫か?」

土方の手が、そっと銀時の頬を撫でる

「腹ん中、熱い…
ケツ痛てぇ…
激し過ぎですから
アンタ…」

銀時の気怠さは増した

色っぽい目付きの銀時を見て土方は笑う

「煽ったなァ、オメーの方だぜ、銀時」

「んな事ァねぇよ
アンタのセーで
俺ァ、ガバガバです…
オムコ行けませんから
コレ…」

「ああ?良いじゃねぇか
俺サイズって事った
安心しろ
どうせ、オメーはムコになんざ、行けねぇ」

「はァ?」

「俺がヨメに貰ってやるからよ」

「ブッ!バカですか?
アンタ、バカですかァァァァ!
俺ァ男だし
ヨメになんざ
行・け・ま・せ・ん!!」

「そうかよ」

土方は笑う

「ナニ笑ってんの?
俺がオメーのヨメになるとか、思ってんじゃねぇだろうな?」

ムキになって言う銀時

「ああ?もうヨメみてぇなモンじゃねぇか」

「バカ!オメーうぜぇから帰れ!」

銀時は気怠るさを振り切って立ち上がる

「う…」

滴る精液

「ったく、テメェ、中二のガキみてぇに、ビュッピュッ出し過ぎなんだよ…抜かず三発って…
どんだけやりたい盛りなんですか…ったく…」

ボリボリ頭を掻きながら呟く

「なんだ…エロいなァ 誘ってんのか?」

「ハァ?アンタ、まだやりたりねぇの?」

「イヤ、オメーが足りねぇのかと思ってよ」

「も充分です!」

言い捨て、銀時は風呂場 へ向かう

伝い落ちる精液が床を濡らした

 

 


「ひっじかたくん
テメェ…
マジ、バカだろ?
つーか、サルだろ」

銀時は溜息吐いて土方を足蹴にする

「痛てぇよ」

「こっちが
痛いわァァァァ!!
ヒリヒリだよッ!!
ケツのアナ、ものっそ!痛いんだよォ!!
何回犯りゃあ気が済むんだよォ!!」

銀時は叫び、土方は笑う

「何回でも犯りてぇ」

「バカ!サル!」

「悪ぃ悪ぃ」

ニヤニヤ笑う土方

「嘘つけッ!!
コルアァァァァ!!
悪ぃと思うなら抜けッ!今直ぐ抜いて下さい!」

「そりゃあ無理だ」

「んな、狭ぇ風呂に
ヤロー二人、犯り捲りって…アンタ…
マジ勘弁して下さい!」

湯の中で向かい合い重なり合う二人

銀時は真っ赤な顔をして言う

「ったく、文句ばっかり言いやがて…
そのくせ自分も金魂固くしてるじゃねぇか」

「アンタが挿れなきゃ
俺ァ勃ちません」

「なんだ?オメー、俺以外じゃ勃たねぇのか?」

「バッ!違っ、う…動くんじゃねぇ…」

「感じてんじゃねぇかよ…だよなァ、散々犯り捲ったもんなァ…
オメーはイキ捲りだったしよォ」

土方はニヤリ笑い、銀時の金魂を柔く擦り上げた

「は…ん…っ…」

「これでも、嫌だって
言うのか?なぁ?銀時」

「んんっ…ばか…やろ…調子に…乗ってんじゃ…ねぇよ」

激しく突き上げる土方に銀時はしがみ付き、喘ぎのけ反る

「良い眺めだぜ、銀時」

「んぁッ…なんで…テメェは…俺に…ンンッ…」

自ら腰を蠢かし、銀時は喘ぐ

「止まらねぇなぁ、腰…いいんだろ?イキてぇんだろ?」

「うるせぇ…早く…」

「分かったよ
普段から、そん位ぇ素直なら、ま、良いか…
オメーは素直じゃねぇから、良いんだな」

土方はそう言うと笑った

 

 

 

 

「失敗したなぁ」

土方は隣でモッサモッサケーキを食べ続ける銀時を見て呟く

「ナニが?」

「オメーの事を考えたら二個も買うんじゃ無かったぜ」

「良いんじゃね?
どうせご機嫌取りに買ったんだろ?
機嫌直ったし
良いんじゃね?」

銀時の台詞に土方は

「う…」

と、呟く

「アンタ、分かりやす過ぎだから」

銀時はケーキを平らげる

「ごちそうさまでした」

ニッコリとして銀時は、土方に寄り添う

土方は銀時の髪を撫でる

「何だ?」

珍しくベタベタして来る銀時に聞く

「ナニって、こうしたいから」

銀時はそう言うと、土方の膝上に乗り、首に両手を回す

「重てぇ」

「ああ?何でそう言う事言うんですかァ?
Hすっ時ゃあ文句言わねぇのにィ」

銀時はホッペ膨らませ 土方は口付けた

ゆっくり舌を絡ませ、口腔を舐める土方を強く抱き、銀時は喘ぐ

「あん…ンッ」

「甘いな…口ん中」

「ンッ…チョコケーキ味だろ?」

「ああ」

土方は笑う

 

ガラッ


二人がゆったり、まったり、イチャ付いて居ると玄関が開き、ドカドカ足音が響く

ガラリ

居間の扉が開き沖田が入って来る

「なんでぇ、まァだ イチャこいてたのかィ」

銀時はまだ土方の膝上に座り土方と抱き合ったままだった

「ナニ?」

銀時は動じた風も無く沖田に聞く

「ナニじゃねぇですぜ 旦那ァ
土方さん、アンタァ、 イチャこく時ゃあ、時計見たが良いですぜ」

沖田はそう言うと、隊服の掛かった衣裳袋を投げる

それを銀時と土方は同時に受け取る

「悪ぃな」

銀時はノッソリ土方の上から降り、土方は和室に入って行く


「沖田くんが副長の為に動くなんて珍しくね?」

「ああ、近藤さんに頼まれなきゃ、来ませんでしたがねぃ」

「ふぅん、そ?」

「そうですぜ、俺ァ、ヤツがサボって士道不覚悟で切腹してくれりゃあ、万々歳なんですがねぃ」

「アハハ」

沖田は銀時をチラ見しながら

「相変わらず、仲良しですねぃ」

呟く

「まぁねぇ」

銀時は悪びれる風も無く笑う

「旦那ァ、キスマーク、凄いですぜ」

首元や胸元を指す

「ホント?
イヤ、コレね、アレだから、アンタん所の副長がやったからね、コレ
アレやコレや
覚えたてのサルですかってくらい、やり捲くりでアレだよ?
銀さん壊れるかと思ったよ?
何とかしてくんない?」

「何とか?そりゃあ無理な話でぇ、真撰組以外、固執しねぇ土方さんが 唯一固執してんのが旦那なんですぜ?
俺らがどうにか出来る事っちゃねぇ
早ぇえ所、諦めたが良いですぜ」

「諦めるったァ、ナニよ?ナニを諦めんの?」

「さぁねぃ、他人の幸せはムカつく質なんでねぃアンタら見てると、ムカ付きまさァ」

銀時は沖田の台詞に笑った


「待たせたな」

「下で待ってまさぁ」

沖田は呟いて、出て行く

銀時は土方のスカーフを直しながらニッコリしている

「何だ?」

「フフフ」

「楽しいか?」

「ん。俺達ァ幸せモンらしいよ
沖田くんがムカ付いてたよ」

「ふぅん。
総悟のヤツァやっかんでんだろ
銀時、来月の14日な、時間空けとけ、」

「来月?」

「ああ、泊まりで、どこか、行こうぜ」

「うん、分かった」

「じゃあな」

「ん、いってらっしゃい気ぃ付けて」

「ああ」

口付けて土方が出て行く後ろ姿を銀時は見送った

「アレ?ナニ?コレ? なんか、奥さんみたくね?えッ?奥さんなの?」

一人呟く銀時なのであった

 

 

 

おしまい