銀色の夢【京都篇】 弐

―万事屋―

「銀さんと土方さん、遅いですね」
新八は万事屋に揃いも揃った面々に どこか落ち着付かな気に言った。
「どうせ、どこかの宿でイチャ付いてるんでしょ」
お妙はニコヤカに言う。
「そうアル!
奴ら暇さえあればイチャイチャ!
何で毎日LOVE×2アルか!!」
神楽はムキになって怒る。
「神楽ちゃん?ソコ、怒る所じゃないよね?」
新八は神楽を見て言い
「そうね。
銀さんが女性になった時は、そりゃあ驚きましたよ。
しかも真撰組の副長とお付き合いしていたなんて、そして結婚するなんて。
ねぇ?新ちゃん」
「はぁ…」
お妙のセリフに縮んだ。
「アネゴぉ!なんでみんなLOVE×2するか?」
「さぁ?どうしてかしら?ねぇ?新ちゃん」
お妙は新八に振る。
「どうしてでしょうね」
ガックリな新八の隣で
「そりゃあ、アレでぇ」
沖田はニヤニヤしながら言う。
「なあに?沖田さん?」
「イチャイチャしてぇからに決まってらぁ」
「お、沖田さん」
オロオロする新八に 空さずお妙はニコヤカに言う。
「そう?そうなの?新ちゃん?イチャイチャしたいからなの?」
「あ、姉上…」
「そりゃそうでぇ。
姐御だってイチャこく相手、いんじゃあねぇかぃ」
沖田はニヤニヤ言う。
「そうアルか?アネゴ?」
「ナニ言ってるの?そんな人、いませんよ?」
「誰ヨ?教えろヨ!」
「神楽ちゃん?
沖田さんに聞いても分かりませんよ?
そんな人いないんですから」
「イヤぁ、姐御の相手は近藤さんに決まってらぁ」
「そうか?そうアルか?なんでヨ?
なんでゴリラヨ?アネゴォォォォ!!」
「違いますよ?神楽ちゃん?
あまりハッチャケてるとシバきますよ?」
お妙はニコヤカに神楽に言った。
「沖田ァァァァ!この嘘つきサド皇子!
アネゴ違う言ってるアル!
シバかれる所だったアルよぉ~!
貴様はサディスティック星に帰れェェェェ!!」
沖田の襟首を掴み揺さ振る神楽。
「イヤぁ、違わねぇと思うぜぃ?」
ニヤニヤ返す沖田。
「沖田さん、もう止めましょうよ。
そろそろ銀さん達も帰って来るでしょうし、鍋の仕度しましょうか?ね?神楽ちゃん?」
「新八はナニ逃げ腰アルか?
オメーもLOVE×2だからアルか?ワタシには分からないヨ」
「ナニ言ってんの?神楽ちゃん?そんな事無いよ?」
「LOVE×2が分からねぇってんなら任せとけって、俺が手取り足取り、たっぷり時間掛けて教えてやるからよぉ。なぁ?チャイナ」
「ナニ言うアル?やっぱオメー、ワタシの事好きアルな?
イシシシシ、新八はカモフラね!
ホントはワタシが大好きネ!
そうアルか?沖田?
ワタシとHしたいアルかァァァァ!!
ワタシはしたく無いアルね!ケッ!!」
ノリノリで言う神楽だったが 新八は何も言わず 沖田を見ていた。
「ああ、犯りてぇなぁ、たっぷり時間掛けてイチャイチャ開発して犯るぜぃ」
ニヤニヤしながら沖田は神楽を見ている。
「およしなさい、沖田さん。
神楽ちゃんも調子に乗るんじゃありません」
「冗談アル。ワタシ、サド皇子キライね。全く興味無いアル」
「そうですよ。
沖田さんは神楽ちゃんが好きなんです。
本当は僕じゃなく、神楽ちゃんが狙いなの、知ってます…」
俯く新八を沖田は抱き寄せ
「泣くんじゃねぇよ
俺ァ新八の事ァ好きだぜぃ?
神楽は本妻、新八は妾って事で良いだろぃ?な?」
「慰めになってねぇよ!なんだァ、妾って!!
良い訳あるかァァァァ!!」
新八は見事にアッパーカットを沖田に決めた。
「テメェェェェェ!!巫山戯るなァァァァ!!
神楽ちゃんまでオモチャにする気かァァァァ!!
ブッ殺すぞゴルァァァァァ!!」
「アハハ、元気んなったじゃねぇかぃ」
新八に首絞められながら沖田は笑う。
「本当アル!!新八に謝れコルァァァァァ!」
「神楽ちゃんまで、およしなさい!」
新八と神楽に襟首掴まれ 笑う沖田を見兼ね お妙は言う。
「まあまあ、みんな、仲良くしなせぇ」
「って、テメェがみんなに怒りの種振り撒いてんだろーがァァァァ!!」
「んな訳ねぇよォ、今夜はスキヤキだってから、みんな仲良く頂こうって、ねぇ?」
「ねぇ?じゃねぇよ!ねぇ?じゃ!!」
「やっぱ一日に一度は新八の雄叫び聞かねぇと、なぁ」
余裕こく沖田。
「新ちゃん、もうこんな人とお付き合いするの、おやめなさい」
「えぇっ!?そりゃあ勘弁して下せぇ」
ペコリ頭を下げる沖田。
「なんで?なんでソコだけ腰低くなんのォォォォ?
ソコだけマジ?」
「そりゃあ、新八とマジイチャこきてぇからでぇ」
「意味わかんないんですケドォォォォ?」

 

ガラリ

 

「帰ったぞ~~」
「賑やかだなぁオイ、外まで雄叫び聞こえてんぞ?」
「あ、お帰りなさい」
「ああ、みんな揃ってんな、って、なんで総悟いんの?」
土方は招待していない沖田を見て言う。
「スキヤキだからでさぁ。ゴチになりやす!」
力いっぱい言い切る沖田。
「イヤイヤ、張り切る意味分かんないから」
銀時はソファに腰掛けシッシと追い払う仕草で言う。
「ナニ言ってんでぇ旦那ァ、ちゃんと黒毛和牛一キロ仕入れて来やしたぜぃ」
「よし!善きに計らえ!」
銀時は身を乗り出し宣言する。
「なあにやってんだ、アホ共。
ホラ、デザートな。
コイツがどうしてもって言うからよ」
土方はケーキの箱を神楽に渡す。
「食べていいアルか?」
「飯の後にな」
土方は言い 買い物袋を和室に置きに行った。
「みんな仕度終わったの?」
「ええ、良いのかしら?私がご一緒しても」
「ああ、アンタ志村のねぇさんだしな、銀時の身内みてぇなモンだろ」
「んじゃ、俺のねぇさんって事かい?」
「イヤ、ソラ違うだろ」
「俺ァ、新八の彼氏ですぜ?なぁ姐御」
「こんなサドな弟はいません。てか、いりません!ね?新ちゃん?」
「コレじゃ振り出しアルよ」
神楽は呆れて呟いた。

 

その夜 楽しくスキヤキパーティーをした後 夜遅くまで雑談をしていた一行は そのまま 居間で雑魚寝した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


―翌日 夕刻―

ガラリ

「帰ったぞ」
「お帰り~」
土方を出迎えに銀時は玄関に出る。
「なんだ、みんな志村ん家行ったのか」
「うん」
刀を受け取る銀時に紙袋を一緒に渡す。
「ナニ?」
「明日、赤いチャイナ服着てくんだろ?」
「うん。で?えぇっ?」
ガサゴソ開いた紙袋の中を見て、土方を見る。
「赤いの、買って来た」
「ちょっ、俺の下着までジミーに買わせたんじゃねぇだろな?」
「そりゃあ俺が買いに行った。
何でもかんでも山崎に買いに行かせる訳ゃねぇだろーが」
「ああ、、そう。
つーかアンタ、どんな顔して買いに行ったの?
サイズ良く分かったね」
「ちゃんと見てった」
「そ、んじゃ、まぁ、有り難く。風呂入る?」
「ああ、オメーは?」
「まだ」
「そうだな、明日早ぇえし、一緒に入ってチャチャっと済ますか」
「済みますか?」
「ああ?オメーが余計な事しなきゃ、チャチャっと済むだろーよ」
「ハイハイ、んじゃ風呂ね。
(余計な事ってナニ?先に手ぇ出してくんの、アンタね?俺ァナニもしねぇし?させるつもりもありまっせん!)
夕飯はあるモンで作ったからね」
銀時はブツクサ口の中で呟きながら 土方に応対していた。
「おう」
土方は隊服を脱ぎに和室に向かい 銀時も付いて行く。
刀を置き 土方の脱ぐ隊服をハンガーに掛けて行き 銀時は自分の風呂の後に着る浴衣を準備した。
「俺のは?」
「風呂場に用意してあるよ」
「そうか、」
風呂場に向かう二人。
最近 自分の身支度はいつも準備万端整っている事を 不思議に思う土方は呟く。
「志村が仕度したのか」
「はあ?違いますぅ~!
毎ん日ィ全部ぅ~アタシがァ~やってますぅ~!
アタシがァ~何にも出来ない子ォ~!!
みたいにィ~言わないで下さいぃ~!!
誰かさんがァ~、自分の事ァ~自分でやれったからァ~!
アタシがやってますぅ~~!!」
唇尖らせ言う銀時に土方は片眉上げてしかめ面。
「そうか、済まねぇな」
「みんな昼には新八ん家行ったよ」

 

 

 

 

 

 

 


二人は交代で身体を洗い 湯舟に浸かった。
のんびり湯舟に浸かる銀時は 鼻歌混じり
「ご機嫌だなぁ」
「ん?まぁねぇ」
銀時はニッコリ土方に笑い掛ける。
いつも以上に湯舟に浸かる姿に 色気を感じた。
纏め髪に後れ毛 それをかき上げる仕草。
いつもと違う 楚々とした座り方。
銀時としては 土方を刺激しない様に 静かにしていたつもりだった。
しかし 土方はその銀時に刺激され 欲情し 文句を付けた。
「何だってオメーはエロいんだ?なぁ、銀時」
「ん?ナニ?」
土方はソッと手を延ばし 銀時の頬に触れ 指先を顎から喉元 胸の谷間へ這わす。
「ちょっ、(やっぱトシが先に手出してくんじゃねぇか)」
そう思いながら 少しだけ身体を引いて銀時は土方を見詰める。
「ただ、そうして居るだけで俺ァ、オメーに挿れたくなる」
土方は片手で銀時の脚を開き 指先は腹を這い 臍を這い 女陰に辿りつく。
「ンッ、ヤらないんじゃねぇの?」
「ああ、そのつもりだった」
「気ぃ変わった?」
「ヤらせてくれ」
土方の指先は女陰の中を目指しながら 肉芽を摘み 擦り付けていた。
「は…ンッあ」
「良いか?」
「だ、だめ、」
「だめか…」
土方は呟きながら指を蠢かし続ける。
「ヤ、ふ、ンンっ…」
「ヌルヌルになって来たぜ?」
土方は楽しそうに言う。
「あっ、クッ、ンンっ」
「腰、動いでんぞ」
土方の指先は女陰の中へと差し込まれ ゆっくりと動く指の抜き差しに 銀時の肌は桃色に上気し 腰は指に合わせる様に蠢めいた。
「あん、あん、ヤ…トシぃぃ」
銀時は土方の首に腕を回し のけ反る。
固く尖った乳首が土方の胸を擦る。
それを指で摘み軽く捻り土方は笑う。
「ひぅッ」
更にのけ反る銀時。
「なあ、いいか?」
更に溢れ出る愛液を感じ取り 土方はのけ反る銀時の喉元に唇を這わす。
「だ、ダメぇ…」
「オメー、ダメってぇ、悶え方じゃあねぇぞ?
ソラ来てくれって、言ってる様なモンだぜ?
オメーだけ楽しむつもりか?ああん?」
「フッ、んっんっあっ、悦い、んはぁ、アァン」
腰の動きは止まらず 土方に強く抱き付いて喘ぐ。
「オメーの言う事ァ聞いてられねぇや」
「トシが、悪い、だから…
火、点いたら、とまんない、の…
どして、悪戯、すんの……」
「ああ、悪ぃ」
「ああん、ンッ、悪ぃなんて…
思って、ナイよ、ね」
銀時は土方の唇に唇を重ね激しく舌を絡めた。
それに応えながら 土方はゆっくりと銀時の中へと 固く猛った男根を収めた。
銀時の中は熱く 柔らかな肉が男根を包み 律動を繰り返した。

 


「大丈夫か?」
湯舟で一発キメ その後 銀時を湯舟に沈めたまま 男根をしゃぶらせた土方。
逆上せ グッタリの銀時を ソファに寝かせ 氷水を飲ませる。
「……」
銀時は水を飲み 溜め息吐いた。
「イヤ、本当、済まねぇ、ツイな、ツイ」
「…ツイで、ヤんない、で…」
「イヤ、ソラ無理だろ」
「男の衝動…分かっケド…」
冷やしタオルで顔を覆ったまま 銀時は呟く。

[ナニが余計で、余計じゃねぇのか、分からねぇよ…
ナニも湯の中でおしゃぶりさせなくってもよ…
もう、コイツ最近エロモード全開だよ…
はぁ……
壊れちゃうよ……]

銀時は心の中で思った。


暫くして銀時はタオルを外し
「夕飯、食べる?」
と 起き上がる。
「まだいい、休んでろ」
銀時はソファの背凭れに寄り掛かり タオルを宛て水を飲んだ。
「ビール冷やしてあるよ」
「ああ、」
台所で何やらゴソゴソやっている土方に言う。
「ホラ」
「ん?」
銀時はタオルを外し 土方の差し出すアイスを見て笑う。
「ありがとう」
嬉しそうにアイスを食べる銀時の隣で土方はビールを飲んだ。

 

夕飯を済ませ 早めに床に就いた二人。
土方はいつもの様に銀時を抱き寄せ腕枕。
銀時は早々と眠りに就きそうだった。
「銀時」
「ん…」
「眠いのか?」
「…ん」
「そうか」
土方は銀時の背中を撫で フカフカの銀髪に鼻先を埋め口付ける。

暫くすると 銀時の 規則正しい寝息が聞こえて来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


―朝―

「おはようございます」
山崎の迎えに土方が出る。
「ああ、おはよう。荷物積んでおいてくれ」
「ハイ、ハ~イ」
山崎は玄関先に置いてある トランク三つを順に持って行った。
「思ったより涼しいぞ」
「ホント?」
銀時は件の赤いチャイナドレスを着て振り返る。
「そう言やぁ、洋装コート買い忘れたな」
「ああ、大丈夫。
お登勢さんが祝いにくれたコレ、暖かいからさ」
「ショールか」
「うん。カシミアだってから、奮発してくれたよねぇ」
「良かったな」
土方はショールを羽織る銀時を楽しそうに見詰める。
「トシ、」
銀時はニッコリと土方を抱き寄せ 唇に軽く口付けた。
「なんだよ」
「イヤね、楽しそうにしてたからさ」
銀時は土方に抱き着いたままで
「なんか、楽しいよね」
と もう一度口付けた。

「他に運ぶ物ないでしょか」
山崎が顔を出す。
「ありゃ」
山崎の目の前で二人は抱き合い 口付けていた。
「副長ォ~、最終確認して下さ~い。出ますよ~」
山崎は何事も無かった素振りで言った。
「おう」
土方は銀時を抱き寄せたまま振り返る。
「おはようジミー」
「おはようございます。今日も別嬪ですねぇ」
山崎は笑って土方から手渡されたアタッシュケースと 予備の刀を受け取る。

「行くか」
「うん」
銀時は部屋をグルリ見回し玄関の鍵を掛けた。

 

 

 

 

 

 

―東京駅―

銀時と土方が駅に到着すると 既に新八 神楽 お妙達が到着していた。
定春は銀時を見ると 飛び付いて来たそうだったが 神楽に押さえ込まれていた。

 

先に将軍家専用車に乗り込んだ万事屋一行。

真撰組三番隊は 新幹線の乗り口を固め 一番隊と六番隊が警護同行する将軍家が到着するのを待っていた。

 

「上様に会う事ってあんの?」
「亰に着いたらな」
「ふ~ん。挨拶やお礼はソン時で良いの?」
「ああ。じゃあ、俺ァお出迎えに行って来る」
「いってらっしゃい」
銀時は笑顔で手を振り土方を見送る。


「なんかドキドキしますよね。上様と同じ旅行なんて」
「新ちゃんだけですよ?落ち着きないの」
「僕は大丈夫ですよ。姉上こそ」
志村姉弟は言い合い 神楽は銀時に嬉しそうに言う。
「銀ちゃんワタシとお揃いネ」
神楽は銀時と同じ 赤いチャイナドレスを着ていた。
「ホントね」
銀時はニッコリ。
「銀ちゃん、話し方どしたアル?なんか変ヨ」
「将軍家対策?
いつもの喋り方じゃマズイでしょう?」
「そうアルか?
ワタシいつもの銀ちゃんのが良いアル」
「そりゃあねぇ?
ケド、十四郎様の立場も考えて差し上げないと、ねぇ?」
「トーシロ誰アルか?」
「土方くんはねぇ、十四郎様って言うのよ?
覚えなさいね?神楽ちゃん」
「やっぱりキモいアル」
「キモいなんて言わないの。
喋ってる本人が一番感じてるんだから」
「上様いないアル。フツーにするヨロシ」
「そうね。
ケド、今から慣らしておかないと、後でボロ出ると困るでしょう?」
「そうアルか」
銀時は笑って神楽を見ていた。

 

 

 

 

 

「上様到着致しました」
「ご着席のまま、お通りになるのをお待ち下さい。その際、顔は上げずに、上様を直視なさらぬ様に。私語も厳禁でございます」
不慣れな万事屋一行は 取り敢えず指示された様に 黙っている事にした。


暫くすると 上様ご一行が通り過ぎて行った。


「緊張しましたね」
「そうね。私達、以前お会いしてるけど、上様は覚えてらっしゃらないわよね?」
お妙のセリフに銀時は
「前に会ったっけ?ん?アレ?ああ、アレね?」
と 何となく 思い出す。
「忘れてたんですか?」
新八は呆れ顔。
「も~、すっかり?ええと?アレ?すまいるで?
将軍ゲームで裸にヒン剥いた?」
「そうですよ。
いやだわ、銀さんたら物忘れ激しいんだから」
お妙はニコヤカに言う。
「サイン貰う~って、はしゃいでたのに忘れてたんですか?」
新八のセリフに 去年の夏を思い出す銀時だった。

 

 

 

 

 

 

静かに動き出す特別車両新幹線に 神楽ははしゃぎ ついで定春もはしゃぎ回る。
「神楽ちゃん!静かにしなっさいッ!!」
言って銀時はシートを倒し 眠る態勢を取る。
「何ですか?銀さん、もう寝るんですか?」
新八は銀時の所にやって来て言う。
「ん、朝早いから眠くて」
「富士山見ないんですか?
やっぱり日本人なら富士山見ないと」
「ああ、その頃起こして」
「銀ちゃん!銀ちゃん!アレ何?何アルが?」
窓の外を指し 神楽は銀時の肩を掴んで揺さぶる。
「神楽ちゃ~ん!
銀さん眠るって言ってるでしょ~が!」
「どして寝るアル!起きたばかりアルよ!」
「うるっせぇ!!」
銀時は溜めて 神楽の頭をひっぱたいた。
「痛いアル!」
「寝かせて、頼むから…」
銀時は頭からショールを被り 横向いて眠る態勢。
「神楽ちゃん、こっちいらっしゃい。銀さんお疲れなのよ」
「何で?また朝までイチャイチャしてたアルか?
奴らヤり過ぎアル」
「ヤってません!!」
銀時は怒鳴り。
「神楽ちゃん!静かになさい?」
と 神楽はお妙に 嗜められた。

 

 


「銀さん、そろそろ富士山見えますよ」
新八にソッと起こされ 銀時は眠い目を擦り起き上がる。
「どこ?」
「もうすぐです。ホラ」
「ああ、綺麗だねぇ」
「まだ沢山雪が残ってますよ」
「ん~、良いねぇ。心洗われるよ。
雲一つ無い青空。素晴らしいねぇ」
「ホントですね」

 


暫くして銀時達の車両にやって来た土方が問う。
「富士山見えたか?」
「うん。綺麗だったよ。今日は晴れるね」
「ああ」
銀時は傍らに立つ土方の腕に寄り掛かり ニッコリ見上げた。
「アラアラ、銀さんったら、随分、甘々なのね」
お妙は微笑ましい眼差しを向け。
「新婚さんですからね」
新八のセリフに頷いた。
「銀ちゃん、ワタシお腹減ったアル」
「アンタさっきお菓子全部食ったろ!!」
新八はカラの 菓子が入っていた特大袋を振る。
「ちょっ、銀さんの分は?預けといでしょ?」
「団子と山程チョコネ。美味しかったアル!!」
神楽は笑って銀時を見る。
「テメェ、人が取っといた隠しチョコを!」
神楽の襟首掴む銀時を制し 土方は問う。
「オイオイ、オメー、当分、チョコやめたっつってなかったか?」
「やめてたでしょ?我慢してました!
今日食べようと思って取っといたの!
遠足にオヤツは必需品でしょーがッ!!」
銀時は怒っている。
「オイオイ、怒る事ァねぇだろ。
ソレに遠足じゃねぇし、亰に着いたらパフェ食わしてやっから、な?」
頭撫で々する土方の手を払い除け喧嘩腰に言う。
「イヤ、今食いてぇ。
亰まで我慢出来るかァァァァァァア!!
食堂車にあんだろ?食わせろ」
「ねぇよ、んなモン。我慢しろや」
「ああ?嘘吐くんじゃねぇよ?ずぇったい!アルはずぅ~!
将軍家の専用車だよ?
上様のリクエストに応える為に何でもアルはずぅ~!
んな事位知ってますぅ~!」
「テメッ!余計な事ァ知ってんな!
あってもオメーにゃあ食わせねぇ!ありゃあ将軍家のモンだ!」


「アラアラ、思ったより険悪だわね?
甘々には見えないわね?」
「普段はあんなものですよ。
二人共かなりのツンデレですから。
更に険悪になる事もあります。
そのくせ夜はLOVE×2です」
新八はメガネをクイッと支え上げ呟く。


「車内販売はねぇのかよ!
糖分切れてイライラすんだケド!」
「堪え性のねぇヤツだな!
車内販売なんざある訳ねぇだろーがッ!
後2時間くれぇ我慢しろ!」
「あ?ムリムリムリムリ!暴れちゃうよ?」
「んだと、コルァ!!」

 

「ハイ!そよ姫様のおなりでぇ控えやがれぇ」
ドアが開き 沖田が上様の妹君のそよ姫を連れて現れた。
慌てる一同を介さず 神楽は
「そよちゃん!」
と そよ姫に抱き着いて
「久しぶりアル。元気だったアルか?」
と 話し掛けた。
「お久しぶりです。かぶき町の女王神楽ちゃん」
仲良く話す 神楽とそよ姫を見て 怒鳴り合っていた銀時は?顔。
「ナニ?何でウチの酢昆布娘がお姫さんと知り合い?んで仲良し?」
「ああ?知らねぇのか?
前にな、そよ姫様が城から勝手に一人で出て行った事があってな、そん時、神楽と知り合い、仲良くなったんだよ」
「へ?何でアンタ、んな事知ってんの?」
「あん時ゃ、オメー、手間掛けさせられたぜ。
駄菓子屋は良いぞ?
子供らしい可愛いげあってな?
神楽のヤツ、カツアゲした金でプリクラ撮って、パチンコ屋に賭場、駄菓子屋だってソレで儲けた金で連れて行きやがった。
ラブホで朝までコース、それが今時のヤングとか何とか、ってのを姫さんに教えやがった。
そいつァ、オメーが教えたらしいなァ、銀時よ」
「マジでか!?」
「ああ、仕舞いにゃあ姫さん連れて逃亡謀りやがって、連れ帰るのに苦労したぜ。
以来、城抜け出しちゃ神楽と遊んでる」
「アレ、ま。ソレよか、なんか糖分食わせろ!」
「ああ?まだ言うか!」


「あの方は?」
そよ姫の問い掛けに神楽は元気に答える。
「銀ちゃんアル」
「あの方が?
神楽ちゃんにヤングの遊び方を教えて下さった方ですの?
兄上様が赤いチャイナドレスを着た、美しい方かまいらっしゃると言ってましたけれど」
「あ!それワタシアル!
赤いチャイナドレスの美しい方アル!」
「オメーじゃねぇよ!!」
新八は空かさずツッコミを入れる。
「銀さんだろ!?!どう見ても銀さんだろ!!」
「そうですわね」
そよ姫はクスッと笑い 新八は慌てる。
「ではあの方が土方様の奥様ですのね?
仲良くお話なさって」
そよ姫は 何処をどう見ても 糖分摂取問題で険悪な言い合いをしているとしか見え無い 土方と銀時を見て 仲良くしていると 微笑む。
「そうアル。銀ちゃんが土方の嫁さんアル」
「アン!」
定春も同意した。
「兄上様が皆様とお茶を、と、申しております」
「って事で、みんな食堂車に行って下だせぇ、ほら、サッサと行きやがれ」
沖田はみんなを追い立てる様に言った。

 


勝手に振る舞う万事屋一同 唯一畏まるのは新八だけだった。
それに対し上様はニコヤカに言う。
「で、土方、どちらがお主の嫁御か」
上様は土方の隣に座っている銀時と離れた席に座る お妙を見比べる。
土方は銀時を見る。

[どっち?
ソラどう見てもお妙じゃねぇだろ?
銀時が俺の隣に座ってんだからよ?]

土方はそう思いながら
「コレです」
と 銀時を指す。
「オイオ~イ~!トシィィィイ?
コレは無いんじゃねぇの?
んなァ別嬪、掴まえてぇ~?ああん?」
松平公が土方に言う。
「はぁ、そうすか…」
「十四郎様。別嬪は兎も角、私を紹介下さらないと。
初めまして上様。私、銀時と申します。
この度は私共を将軍家のご旅行にお連れ下さり、ありがとうございます。
一同に成り代わりまして御礼申し上げます」
銀時はニッコリ上様を見詰め 土方は銀時の話し方に驚いていた。
「銀時とな」
上様は見詰められ 少し頬染める。
「はい」
「女子に付ける名では無い様に思うが」
「ええ、私を産みし時に罷った母の名がギン。
取り上げたお産婆がトキ。
二人の名を取り銀時と…
困った父ですわ。オホホホ」
「そりゃ~、困った親父さんだぁ~、なぁ~トシ~」
松平公に問われ 銀時を見詰め 土方はポカンと口を開け
「はぁ…」
と 答えた。
[誰だ?コイツ?銀時か?ホントに銀時なのか?]

土方は心の中で思った。
「どうなさったの?十四郎様?
お砂糖取って頂いても宜しいかしら?」
銀時は土方の脇腹を見えない様に肘で突いてニッコリする。

[俺ァこんな苦い汁飲めねぇっての!ナニ惚けてやがる!間抜け面だぞ、オイ!]

銀時は心の中で思った。
「あ?ああ、」
土方はシュガーポットを渡し 銀時は次々コーヒーに砂糖を入れていき 回りの人々は その動きを見て 左右に首を振っていた。
まるでテニスのラリーを見るかの様に。
結局 ポット丸々一つ分の砂糖を入れて 回りの人々をドン引きさせた銀時だった。

「テメッ!入れ過ぎだろーが!
糖分摂りすぎだっつうの!パフェ食わせねぇぞ!」
怒鳴り付ける土方に銀時はニッコリ。
「イヤだわ、十四郎様、上様の御前ですわよ」
「あ……」
「まぁ、良い良い。
しても砂糖を入れ過ぎであろう」
「ええ?そうかしら?」
ニッコリしながら銀時はカップの表面張力いっぱいまでミルクをタップリ入れ 絶妙のバランスで口まで運び ソレを一気に飲み干した。
その様子に一同は イヤな顔をして銀時を見た。
「苦~い、もっと甘いモノ頂きたいわ。
ねぇ?十四郎様?」
小さく呟く銀時は さりげなく土方の太腿を撫でた。
「すいまっせ~ん!」
土方はそう言った後
「パフェ下さい」
と 告げた。
「甘いわ――――――ッ!!!
文句言ってるアンタが一番甘いわ―――ッ!!
アイスに生クリームたっぷりの甘々チョコレートパフェに練乳と砂糖ブッかけたくらい甘いわ――――ッ!!」
新八は立ち上がり いつも通りのツッコミを入れた。
うえぇぇぇぇ!!!
な吐き顔の面々に対し 銀時だけが頬染めウットリ。
「ソレ美味そうじゃね?」
と 小さく呟いた。
「しかしなぁトシ?
お前の嫁さんだっがぁ~、おじさんどっかでぇ~、見た事ある気がするよぉ」
「そんな事ァねぇよ、とっつぁん」
土方は松平公を睨む。
「いんや~覚えあるよぉ、おじさんはぁ~。
アレもそうだろぉ~?
おじさん行き着けのぉ~すまいるのぉ~、かわいこちゃんだッろぉ~?」
松平公に土方の睨みは効かない様だった。
「そうだろぉ?なぁ?
ちょっ!聞いてるぅ~?ゴリラ!!ああん?」
近藤は正面に座るお妙に噛り付きで エサを目の前に”待て!”を掛けられた犬の様だった。
お妙はそんな近藤を無視して。
「そうですわ。松平様」
と ニコヤカに言う。
「ほらぁな?アレだろぉ、上様をすまいるに連れてった時ぃ~似たコがいたろぉ~?
ちょっ、しゃくれてたけっどぉ~」
「おお、そう言えは、いたのぉ、余が裸にヒン剥かれた時に。
しかし、そちの方が別嬪であるぞ」
上様も同意見を述べる。
「まぁ、ご記憶でしたの?
ソレは、ねぇ?別の人ですわ。ねぇ?銀さん?」
「え?あ?アレ?まぁ…私の…半身?てか、自信?ええと、ナニ?アレ?」
「双子ってぇ事かぁああん?」
「そう、ソレ!さすが松平様ですわ。オホホホ」
銀時はニッコリとした。
「あの時は楽しかったぞ。また遊びに生きたいものだ。のぉ、松平」
「そうだよぉ、キャバクラ遊びは楽しいんだよぉ。
また行こうなぁ、将ちゃん」
キャバクラ談義に花を咲かせる上様と松平公だった。

 

 

京都駅で盛大な出迎えを受けた 将軍家ご一行は そのまま京都御所へ向かい
将軍家は天皇家に挨拶をしそのまま御所泊まり
銀時達万事屋は 御所敷地内の 幕府の施設に泊まる事となった。
当然ながらそこは 真撰組隊士の宿泊施設であった。
部屋の振り分け表を貰い 銀時達万事屋一行は一休みし 真撰組隊士達は京の真撰組隊士達と合流し 御所の警護に当たった。

 

 

「今日はこの後、上様達と飄亭にて会食。
その後は自由行動。
明日の朝、10時から観光地巡りをして、夜は清水寺のライトアップした夜桜だそうですよ。
綺麗でしょうね」
新八は丁寧に 旅のしおり(日程表)を読み上げた。
「銀さんと土方さんの祝言は、6日午後一時から平安神宮にて。聞いてます?銀さん?」
「ハイッ!ハ~イ!新八先生!聞いてま~す」
「どんなテンションだよ!なんだよ!新八先生って!!」
「ええッ?引率の先生だろ?何たって新八だけにパチだし……
あ?アレ?ナニ?
ちょっ…ダル、なんか…疲れたねぇ…」
急にトーンダウンの銀時。
「ノリノリで上品ぶったりするからですよ」
「だって、アレだよ?こんにちは!坂田銀時です!
元ほ男で今は女になった変態です!
んで、こんな俺と夫婦になる土方はもっと変態です!
なんて言ったらトシに迷惑掛けるじゃない?
ちょっ、気張りました~」
「そこまで詳しく言う必要あるかァァァァア!!
フツーにしろ!フツーに!!
だいたい、気張り過ぎで土方さん引いてましたよ!」
「間抜け面曝してたアル。
誰だコイツぅ~、みたいな顔して銀ちゃん見てたアル」
「まぁ、神楽ちゃん、そんな言い方したら悪いですよ。私も銀さんにあんな芸当が出来るとは、思いませんでしたケドね」
「芸当って何て言い草?当分、アレで行きます」
「キモいアル」
「キモい言うな!私自身もキモいですッ!」
「でも、幕臣の奥方になるのですもの、それ位の話し方で良いと思いますよ?銀さん」
「イヤ、アレ、今だけだから、今だけ120%増量中!な、だけだから」
「なんだ!120%増量中って!!ナニが増量してんのか、分かんねぇよ!!」
「いいじゃん、ナニ増量中でも、取り敢えず着替えに戻ります。んじゃ、後で」
銀時は居間から割り当てられた部屋へ戻って行った。

 

 

 

 


「ナニ着るかなぁ」
銀時は広げた着物を見下ろし思案顔。

―スッ

と 静かに障子が開く。
「テメェッ!素っ裸でナニやってやがる!!」
突然入って来た土方は怒鳴り付ける。
「あ」
「あ、じゃねぇ!!」
「ん、ナニ着るか考えてたの、こちとら一般市民の上にビンボーが付く一般市民なんだからさぁ、事ある事に着替えなんて、出来ないっての、ねぇ?」
「素っ裸でやる事じゃねぇだろーが!」
「んもう、ナニ怒ってんの?
いいじゃん、部屋ん中なんだし」
「自分ん家じゃねぇだろーが!
誰が入って来るか分からねぇのに」
「黙って入って来るの、アンタだけでしょ?
他の人は一声掛けるよ?」
「分からねぇだろーが」
「ハイハイ、ごめんね」
銀時は襦袢を羽織り土方にニッコリとした。
「端からそうしてりゃあ、良いんだよ」
「ハイハイ」
銀時は座り込み
「コレど?」
と 聞く。
「ああ?良いんじゃねぇか」
桜色の濃淡で 桜柄の着物に銀色の帯を合わせ銀時は頷いた。
「どしたの?」
銀時は襦袢の下に腰巻きを着け 襦袢に腰紐締めながら聞く。
「さっきの、ありゃあ、なんだ」
「さっきの?アレって…ナニ?」
「喋り方だよ」
「ああ、アレ?なんで?イヤだった?」
「イヤじゃねぇが、違和感があった」
「そりゃあねぇ、だから?
そもそも、女らしくって言ったの、十四郎様でしょう?」
銀時は慣れた手つきで 着物を着付け クスリと 笑う。
「違うヤツみてぇだ」
「なぁに?」
後ろから抱き着いてくる土方に聞く。
「喋り方が違うだけでしょ?
アンタが女らしくしろっ、たんだよ?ちょっ、」
土方は襟の袷から手を突っ込み胸を揉んだ。
「トシ、ナニすんの、んもう…どうせなら裸の時にすりゃあ良いのに。
着物着てから欲情するって、どうなのよ」
「文句言いながら、乳首固くしてんじゃねぇよ。
俺ァオメーの裸見た時から欲情してんだよ」
「そん時言いなよ、もう、今着たばかりなんだから、脱がないよ?」
「脱がなくてもヤれんだろ」
土方は銀時を前屈みにさせ 着物の裾を捲くり上げ 尻を丸出しにした。
「ちょっ、ヤんないっての、ちょっ、やめ…」
「止めてだ?ああ?」
肉芽を摘み捻り 擦り付けて土方は笑う。
「ンンッ、やだって、ちょっ!」
いきなり女陰に 指を差し入れる土方。
「ンンッ、乱暴に、しないで」
「優しいだろ?濡れて来たぜ」
「バ、バカ、十代じゃないんだから、んな、サカんな、あ…」
「良いな?」
「もう、やだって、の」
「ククク」
土方はズボンのチャックを開き 固く張り詰めた男根を取り出し 銀時の女陰に擦り付けて ヌメリを楽しみ 銀時が喘ぎ出すのを待っていた。
「上様に色目使ってんじゃねぇぞ」
「はぅ、ナニ、使って、ないよンンッ」
「頬染めてたじゃねぇか」
「そりゃ、上様だろ、」
「品良く喋れよ」
「ンンッ、ナニぷれい?
アァン、良いトコの奥様とヤってる感じ?」
銀時は笑って土方に 尻を押し付ける。
「アァン、早く来て…十四郎様…」
「ああ?イヤじゃなかったのかよ」
クスクス笑う土方に
「今すぐ挿れないなら、ヤらせません!」
断言した。
「マジかよ」
「かなりマジです!時間無いし!」
「チッ…」
舌打ちして土方は勢り勃った男根を深く挿入した。
「んんッ、イイッ、う…動いてッ…」
「ああ、良く締まるな」
「はぁん!やんッもう」
銀時は前のめりになり 壁に手を付く。
「あんま、締めんな…」
「我が儘、言わな、いの…
そ、なっちゃう…だから、ああ、ん」
「そうだな、ああ、堪らねぇ、気持ち良いぜ」
「わ、私も…イキそ…」
「早えぇな」
「んッ、はぁん、」
声を押し殺し、躯を震わせる銀時の腰を掴んで 土方は激しく突き上げた。
「フッんんっ…アァ、ンッ」
「クッ、キツっ、」
倒れそうな銀時を掴まえて 土方は激しく腰を打ち付け 銀時は大きく喘いで快感の波に掠われた。

グッタリと横になりながら 太腿を伝い流れる生暖かい精液を感じながら 銀時は躯を痙攣する様に震わせていた。

何度も激しく快感を得続け 指を動かす事さえ もどかしい位に疲れ果てていた。

土方は荷物の中を漁り ティッシュを見付けると 銀時の女陰と太腿を拭った。

「大丈夫か?」
「……」
銀時は返事も出来ない位 疲れていた。
土方は銀時の着物を直し 抱き寄せて膝に乗せた。
「銀時」
乱れた髪を撫で 整え 土方は赤い唇に口付ける。
「…ん…」
銀時はその口付けに応えながら 土方を弱々しく 抱き返す。
「あまり、大丈夫そうじゃねぇな…」
「実は、最近…ダルいのね、
Hすると、ものっそい、ダルさが…ますの…
あんま、体調、良く無いみたい、なんだわ…」
「なんで早く言わねぇ」
「ん…だって、トシに、我慢とか、悪いかと…おもったの
つー事で、あんま、激しく、しないで、ね」
「ああ、分かった。
済まねぇな、激し過ぎたか?」
「ん…てか、アンタ、ヤり過ぎだから」
「我慢する」
「我慢て、どんだけ、精力、余ってんの?」
「オメー見てっと、欲情しちまうんだ、仕方ねぇだろ」
「まぁ?触るのもイヤって思われるより、マシだけどね」
「気ぃ付けるよ」
「うん。
トシのせいばかりじゃないんだケド、嫌いじゃないからさ、すぐその気になるし?
感じ易いから、激しくイっちゃうし、疲れんだよねぇ」
土方は銀時の額に口付け 頬を撫で抱き締めた。

 

 

 

 

 


「銀さん?仕度終わりました?」
銀時の様子を見に来た新八は障子越しに声を掛け
「ああ、」
土方の声に驚いた。
「銀時、志村が迎えに来たぞ」
銀時は土方の膝の上で眠っていた。
「仕方ねぇな、済まねぇが、障子開けてくれるか」
「は、はい」
新八は障子を開けて 土方が銀時を抱き 立ち上がるのを見ていた。
「銀さん、どうしたんですか?」
「ああ、ちょっ、疲れさせちまった」
「えぇッ!?早速ヤったんですか?
この際だから言いますけど、土方さん、ヤり過ぎです」
真剣な新八の意見に土方は笑う。
「そうだな。
あんま、体調も良くねぇみてぇだしな、
今度からぁ気ぃ付けるよ」
「そうなんです。最近の銀さん、
なんか眠ってばかりで、いつもに増してダルダルで、
一度お医者に診て貰った方がいいんじゃないですか?」
「ああ、帰ったらそうしようと思ってる。心配かけたな」
「あ、いえ、余計な事を…」
「イヤ、ンナ事ァねぇ」
土方は銀時を抱いたまま 集合場所である 居間に向かった。

 

「どうした!銀時は?寝てんのか?」
近藤の問い掛けに 土方は頷く。
「疲れて寝ちまった」
「オイオイ、寝てんの連れてくのか?」
「ああ、一人置いとく訳にいかねぇし、後で怒るからな。
取り敢えずバス乗っけときゃあ、良いだろ」
土方はそう言って
「先き乗せとくからよ」
「分かった」
近藤の返事を聞くと 居間を出て行った。

 

 

「トシ、上様乗車されたぞ」
「ああ、今行く。じゃあ、頼んだぜ」
土方はお妙に眠り続ける銀時を頼みバスを降りた。
「銀ちゃん寝てばかりネ。遊びたいヨ」
「銀さん体調良く無いみたいだから、そっとしてあげて、神楽ちゃん」
「そうアルか」
神楽は定春を抱いて残念そうに 銀時を見詰めた。

 


「土方、嫁御はどうしたのだ」
「?向こうのバスに乗っていますが」
上様の突然の問い掛けの意図が分からず 土方は首を傾げる。
「ゆっくり話しがしてみたい。呼んで参れ」
「申し訳ありません。寝ておりまして…
上様の話し相手は務まりませんが…」

[話しがしたい?なんでまた?]

土方は心の中で思った。
「寝ている?」
「はい、体調が優れませんで」
「そうか、体調が、余の主治医を遣わそう」
「いいえ。ご心配無く。旅の疲れでしょう。
お話相手は次の機会に」
「そうであるか、残念である」
「申し訳ございません」
「良い、出立致せ」
「はっ!出立!!」

[何故、銀時を気に掛ける?
上様の興味を引くのは?
銀時の外見か?
何を聞きたいってんだ?]

土方はそう思いながら 出立の指示を出した。