あなたに…

 


「んな事ァ急に言われてもなァ…
うっせぇッ!!
耳元で怒鳴ってんじゃねぇッ!!
テメェッ!コルァ!聞けッ!!
銀時ッ!!」

土方は咥え煙草をペッと吐き出した。

「んの…ヤロー…」

「土方ァ、煙草のポイ捨て現行犯で逮捕ォォォォォ!!」

沖田は嬉々として土方に手錠を下ろし、かわされた。

「巫山戯んな、テメェ、ちゃんと灰皿に入ったろーが。
テメェは仕事しろッ!!」

土方は沖田を睨み付け新しい煙草に火を点けた。

「何でぇ土方さん、万事屋の旦那に振られたんですかぃ?
トロくせぇな」

「あんだとッ!?」

「第一、奴隷のくせに御主人様に盾突くなんざ100年早ぇえんでぇ」

「だぁれが奴隷だッ!!」

「あれぇ~?違うんですかぃ?
旦那ァ奴隷って言ってやしたぜぃ」

ニヤッと沖田は言い捨て土方の部屋から出て行った。

残された土方の苛々は募り、灰皿テンコ盛りにし 書類の山を片付けて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


―万事屋―

ガラッ!


「銀時ッ!!」

怒鳴り込む土方に新八が飛び上がる。

「ちょっ!何なんすかあんたァァァァア!!
銀さんなら居ませんよ!?」

「居ねぇ?どこ行きやがった!」

「知りませんよ、
土方さんとの電話を切った後、膨れっ面して出て行きました。
もう、いい年して二人して怒鳴り合いって、ホントいい加減にして下さいよ」

「チッ!あのヤロー!」

「うるさいアル!
だいたいオメーがちゃんと銀ちゃんの言う事聞かねぇから逃げられんだヨ!
ニコチンコ!!」

「ガキがナマ言ってんじゃねぇ…
どうせパチンコでも行ってんだろ
帰ったら電話寄越せって言っとけ」

「オメーの指図は受けないネ!」

「神楽ちゃん!
分かりました、土方さん。
伝えますから」

「ああ、頼んだぜ」

そう言って土方は神楽の頭に菓子の箱を乗せ立ち去った。

「何ネ、マヨ切れたアルか?」

「もう、神楽ちゃん、ダメだよ、あんな事言っちゃ」

「ナニ?あんな事て」

神楽は菓子折りの包みをバリバリ剥がし聞く。

「逃げられるなんて、」

「ホントの事ネ。
おぉ~気が利いてるアル」

「ちょっ!勝手に食べちゃダメだって!銀さんに怒られるよ?」

「黙ってれば分からないアル」

神楽は菓子をバリバリ食べ、新八は溜め息吐く。

「ったく、土方さんも来るなら素直に来れば良いのにね」

「仕方ないアル
ニコチンコも仕事中だたアル」

「アレ?
さっきと、言ってっ事違うんですケドォォォォ?」

「ニコチンコには気を許さないアル!
甘くすると付け上がるネ!
ワタシから銀ちゃん盗った憎きマヨニコチンコォォォォ!!」

「アレ?マヨ足されたよ。
文句言いつつ、菓子完食かィィィィイ!!」

「新八ぃ~、お茶くらい出せヨ!
気が利かないアル」

「なんだとォォォォ!!!」

新八と神楽が楽しく喧嘩をしている頃、土方はシカメ面で屯所に戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「銀さん遅いね」

「ナニ、今頃ヤツはニコチンコとどっかの宿屋でマヨぷれいしてるネ
心配ないアル」

「オメーの行く末が心配だよ。
爛れた恋愛感しか持ってねぇよ…」

「ナニ言うアルか?
爛れてんのはオメーだろ。
銀ちゃんと言いオメーと言いワタシみたいなカワイイギャルほっといて、ホモじゃね?
ホモってナニ?オメー受けダロ?
キンタマ突っ込まれてヒィヒィよがってるヤツに言われたくないネ!
ナニよ?ホモて」

「ハイハイ、分かりましたよ…
でもね、女の子がキンタマとか言っちゃダメだよ?」

「うるさいアル」

「すんまっせ~ん!
悪い見本の大人で」

「分かれば良いアル。
とっとと帰るヨロシ」

「うん。じゃあ神楽ちゃん、戸締まりしてね」

「はいヨ~」

神楽は定春を抱き寄せ手を振る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


―翌日―

「おはようございます」

新八はいつも通りの時刻に出勤。

「神楽ちゃ~ん?
銀さ~ん?
アレ?」

「おはようヨ~」

寝ぼけ眼で起きて来る神楽に定春。

「銀さんは?帰って来なかったの?」

「知らないアル。
新八、ご飯」

「はいはい」

神楽は顔を洗いに、新八は台所に朝食を作りに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


―夕刻―

ガラッ

「オイ、銀時」

勝手に上がり込む土方を見て、新八と神楽は顔を見合わせる。

「土方さん、一人ですか?」

「ああ?見りゃ分かんだろ」

「なに偉そうに言うアルか?
銀ちゃんは?銀ちゃんはどこアルか?」

食って掛かる神楽に土方は

「帰ってねぇのか?」

聞き返す。

「帰ってたら聞かないアル!」

「ちょっ、待って、神楽ちゃん。
土方さん、ゆうべは銀さんと一緒じゃなかったんですか?」

「ああ?一緒じゃねぇ。
あのヤローどこ行きやがった」

三人は互いを見合い、神楽は土方を責め始める。

「オメーが銀ちゃんの言う事聞かないから、銀ちゃん怒って家出したネ!」

「何処ほっつき歩ってやがる」

神楽の相手などせず、土方は思案顔、新八は神楽を宥める。

「なんかあったら連絡しろ」

土方は言い捨てると万事屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
―無限に広がる大宇宙―

 

「辰っ馬くぅぅうん!
こかぁ~どこですかァァァァア!?」

「なんじゃおまん、そげん事も知らんのかぁ~?
こかぁ~ニュロニュロ星じゃあ」

ご機嫌な辰馬に不機嫌な銀時。

「何だニュロニュロ星って?
猥褻物のオンパレードじゃねぇかァァァァア!!」

「なにを言うちる、ニュロニュロ星人じゃきぃ。
猥褻物じゃなかぁ~」

街と言うのであれば、街中、男性器の様な生物が蠢き回っていた。

「テメェ…
三日だけのバイトとか吐かしやがって、もう10日も経ってんじゃねぇかァァァァア!!」

モジャモジャヘアを鷲掴みにされ、ガッツリ殴られて辰馬は笑う。

「気の短かヤツじゃの、金時ぃ~」

「金時じゃねぇ!
銀時だっつうんだよ!!
もっぺん殴られてぇのか?」

「ォウッ!もう殴っちょる…
まぁまぁ怒りなぁ金時。
直ぐ地球ば戻るきぃ、待っちょれ」

「テメェの言う事ァ、当てにならねぇ」

「今、陸奥が取引ばしちょるきぃ、それば済めば、おりょうちゃんに会えるきにぃ」

「俺ァ、おりょうになんざ会いたかねぇんだよ」

「なんじゃあ、あの男前の彼氏が恋しいがか」

「ああ?テメェ…そうだっつったらどうなんだよ」

「良か良か、仲が良いっちゅう事は良か事じゃ。
そうじゃ金時、彼氏に土産は買わんがか?」

「はぁ?チンコ星でナニ買えってんだよ?
ナニか?ナニ的なモンか?
そんなん買ってったら殺されるわ!!」

「なんじゃ、悋気な彼氏じゃあの」

「うっせぇ…」

[……やべえな……
誰にも連絡してねぇよ…
神楽はどうせ新八ん家行ってっから心配ねぇとして……
……やべえな……
トシ、怒ってかな?]

「金時?どがぁした?」

「あ?なんでもねぇ」

銀時は辰馬の髪を引っ掴んだまま、船へと引き返して行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


―真撰組―

「土方さん、旦那に逃げられたってマジですかぃ?」

土方はギロッと沖田を睨み据える。

「マジでか!?とうとう、旦那に……」

「つーか、テメェ、志村から何吹き込まれた、あん?」

「何も吹き込まれてねぇですぜ?
ただ、旦那がもう半月帰ってねぇって、ね?」

「ね?じゃねぇッ!!
他は?何も言ってねぇのか?」

「ええ、しかし旦那、何処行っちまったんで…
チャイナのヤツが怒ってやすぜ?
マヨニコチンコが悪いってねぇ?」

「ねぇ?じゃねぇッ!!」

「煙てぇんでぇ、俺ァ帰りやす」

灰皿テンコ盛りの煙草の吸い殻、苛々の土方。

「煙草吸い過ぎて、肺ガンで死ね土方…」

沖田のセリフに土方は更に煙草に火を点けた。

「総悟ぉ、テメェは見回りの時間だろーが、サボってんじゃねぇ!!」

「へ~い、嫌だねぃ、フラれ男は怒りっぽくていけねぇや」

「テメェ、斬り殺されてぇのか……」

書類仕事から片時も目を逸らさず、土方は言い、沖田に湯呑みを投げ付ける。

「危ねぇなぁ、土方さん、当たったらどうするんでぇ」

「茶!」

沖田は返事をせずに受け止めた湯呑みを片手に出て行った。

「あんのヤロー……
何処に消えた……」

ギリッと土方の奥歯を噛み締める音が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「失礼しま~す。
副長ぉ~お茶お持ちしましたぁ」

「入れ」

「はい」

山崎は静かに部屋に入り、お茶と共にオニギリを差し出す。

「副長、旦那の姿を見た人はいませんね」

「そうか」

「はい、2月の15日に万事屋を出た後、旦那を見掛けたのは、お登勢さんで、出掛ける旦那の後ろ姿だけですから」

「スクーターも万事屋に置きっぱなし、ヤローは歩いて出掛け、それ切りと……」

「はい」

「私用に使って悪かったな」

「いえ、副長、ちゃんとご飯食べて下さいね」

「ああ、」

「じゃ、失礼します」

と言って山崎は出て行った。

土方は筆を置き、ツイと空を見上げる。

正に皐月晴れの、雲一つ無い青空が映った。

「ったく、アレくれぇで怒って家出するか?
んなヤローじゃねぇだろーよ…
何か事件にでも巻き込まれてんじゃねぇだろーな…」

土方はオニギリを一つ掴み、頬張る。

「山崎のヤロー……
マヨネーズが入ってねぇじゃねぇか…
マズイ……」

土方は悲しそうな顔をした。

 

 

 

 

「なんでぃ、ありゃあ。
旦那が居ねぇ事よか、マヨネーズ入ってねぇ事のが悲しいのかぃ」

物陰で盗み見していた沖田は憮然と呟く。

「ホントですね…
泣きながらオニギリ食べてますよ」

「チッ、面白くねぇ…
死ぬ程ショック受けりゃ良いのによぉ」

「副長が旦那にフラれた位で死にませんよ」

「図太いヤローでぇ…」

「イヤ、沖田隊長には言われたく無いと思う…」

「うるせぇや、山崎」

沖田は面白く無いと呟きながら、その場を立ち去った。

「俺も仕事戻ろう」

 

 

 

 

 

 

 

「クソガキ共、覗きなんざしてんじゃねぇ」

土方は呟いて、お茶を飲み干した。

 

 

 

―喜遊楼―

 

5月4日の晩に会うと、銀時と約束を交わした見世。

土方は約束通り、見世に現れた。

見世番はいつもの愛想よい笑みで土方を上げる。

何も言わない所を見ると、銀時は来ていない様だった。

土方はいつもの部屋、見世の奥へと進む。

来るか来ないか分からぬ相手を待つのも釈に触るが、相手が銀時なら良しとしよう。

土方はそんな気持ちで部屋の金襖を開ける。

微かな吐息が土方の口から漏れる。

いつもの場所に座り、片肘着いて煙草を燻らす。

「旦那様、すずでありんす。
御膳をお持ち致しゃんした」

「ああ」

土方はいつに無く、気落ちした声のトーンで頷いた。

静々と入り来る禿に酒を注がれ土方は一気に盃を空けた。

もう一献注ぐ禿から瓶子を取ると微かに頷く。

禿は静かに部屋を出て行く。

土方は煙草を吸い、酒を呑み、銀時の事を考えていた。

いい加減でだらし無いお調子者だが、子供達に内緒で何日も家を空ける様なヤツじゃねぇ。

ヤツはヤツなりに志村や神楽には気を使っている。

ま…
前にヤクザもんと一悶着あった時ゃあ、暫く身を隠していたが、あん時ゃあ、この見世に居たのを俺ァ知っていた。

しかし、今回は何の連絡もねぇ……

しかも、半月……

どっかで野垂れ死んだってぇ話しも聞かねぇ……

あれだけ目立つヤローが雲隠れするには、江戸は顔が知れてる……

何処行っちまった……

銀時…

 

土方は考え事をしながら、うつらうつらしていた。

―スッ―

「テメェ……この日の為に、俺ァ、何日寝てねぇと、思ってやがる……」

「ったく…よ……」

寝言の様に呟く。

「ゴメンな……」

小さな呟きに驚き顔を上げる土方に、銀時は泣きそうな顔をして、抱き着いた。

「テメェ…」

「トシ…」

「トシ……」

名を繰り返して口付けて来る銀時を抱き締めて、土方は口付けを返した。

「ああ…」

銀時は薄ら涙を浮かべ、土方の舌を吸い、絡めた。

「ん…あぁん…」

喘ぎ声を上げる銀時から唇を離し、土方は銀時を見詰める。

「腹、減ってねぇか?」

「うん」

「確かめても、良いか?」

「うん」

「テメェがホントの銀時か…」

「うん…確かめてくれよ…」

帯を解き、着物を脱ぎ捨てる銀時に合わせ、土方も着物を脱ぎ捨てる。

「怪我してねぇか?」

「してねぇ…」

「そうか、じゃあ、無茶苦茶にテメェを抱く」

「うん。そうしてくれよ」

銀時は微かに笑みを浮かべるが、今にも泣きそうだった。

「テメェが泣きそうなんて、珍しいな」

「泣いてねぇ…」

「泣いたって構わねぇ…
どうせ俺しか居ねぇし…」

「んじゃ、鳴かせてくれよ」

「ああ…無茶苦茶抱いて鳴かせてやるよ」

土方はニヤリと銀時を布団に横たえた。

見詰め合い、互いの躯を撫でて、口付け、愛撫した。

土方の指が、唇が触れる度、銀時は全身を震わせる。

我慢し切れ無くて、甘く切ない喘ぎを漏らす。

躯がほてり、疼くのを我慢出来ずにいる。

それを察しながらも土方は焦らす様に愛撫を繰り返す。

固くしこる乳首を掠め、舌が這う。

「…ンッ」

荒い息使いが土方を更に興奮させ、銀時は喘ぐ。

「ト…トシ…」

土方が銀時の男根に手をやり、ソロリ撫で上げるのを、銀時はジッと見ている。

いつも気取った土方の表情は、欲情に濡れ、瞳は輝いていた。

舌嘗め擦りする土方の舌先に銀時の亀頭があり、チロッと掠められ、銀時は硬直する。

「ンッ…な、舐めて…」

銀時が催促するより早く、土方は亀頭に唇を被せた。

”ゾクゾク”する快感に銀時は躯を震わせ、土方の表情を見ては、喘ぐ。

「も…無理…」

「ああ?出せよ」

ふぐりを掌で柔く揉み上げ、男根に舌を使う。

カリをなぞられ、裏筋に沿って舌先で掃かれ、銀時は土方の口に劣情を吐き出した。

「ハァ…ハァ…」

肩で息吐く銀時に休む時間は与えられず、土方は銀時の放った精液を口から零し、尻を濡らす。

そのまま、土方の口は銀時の尻を這い回り、菊座を辿ると中へと舌先を滑り込ませた。

「ハッ…ん…」

細かい襞を舌でなぞられ、銀時は更に躯を硬直させる。

躯の芯から疼き、躯を震わせる。

滑り込む指がゆっくりと襞を擦り、揉み込む。

「アン…あぁん…」

零れる喘ぎと、滴る汁に土方は笑う。

「また、イキそうじゃねぇか」

「い、いくッ…」

土方の愛撫に慣れた銀時の躯は中を弄られただけでいける程になっていた。

「ヒク付いてるぜ…
イケよ…」

「ンッ…んんぁ…ハァ…ハァ…あぁん…トシぃ……」

銀時は躯を痙攣させ、射精せずにいく。

「可愛いな…
お前の鳴き声は…
堪らなく…興奮するぜ…」

「い、いれて…」

「もう?早ぇえな…」

土方は笑う。

「欲し…い…トシの…」

「可愛いねだり方しやがって」

土方は銀時に口付けながら、ゆっくりと挿入した。

「きついな…
イッたばっかだしな…
すげぇヒク付きだぜ…
なぁ、銀時」

「ンンンッ…いっぱい…
深いよ…」

「好きだろ?」

「うん…ぁあん、ゴリゴリする…」

「ゆっくりな…
時間は腐る程あるからな…」

銀時の涙とよだれを拭い、土方は銀時を見詰める。

「ァン…ナニ、見てんの…」

「可愛いな…」

「んなの、言うの…トシだけ…だから…」

喘ぎ声を抑えながら銀時は呟く。

「当然だろ?
お前の可愛い所を他のヤツが知ってたら、許さねぇよ…」

「アハッ…バカ…良いから、もっと…激しくして…」

銀時は自ら腰を蠢かし、土方に催促する。

「無茶苦茶、抱くんだろ?」

「ああ…これからな…」

土方はニッコリして銀時の乳首を摘む。

「…ふっ、ンッ…」

爪を立て乳首を弾くと、銀時は小さく跳ね、詰まった喘ぎを漏らす。

「はぁあん…」

腰を打ち付け、乳首を弄りながら、銀時の男根を弄らい、土方は身悶えて喘ぐ銀時に笑う。

「また、イクのか?」

「ンッ、う…ん。イッちゃう…」

「良いぜ…好きなだけイケよ…」

土方は銀時に口付け笑った。

 

 

 
土方の腕に抱かれ、すやすや眠る銀時を見詰め、土方は銀色の髪を撫で、口付けし過ぎたせいで微かに赤く腫れた銀時の唇を指先でなぞる。

「会えなくて淋しいかったのか?
お前が居なくて俺ァ、気が利きじゃ無かったぜ?
なぁ、お前はどうなんだ?
銀時…」

顔を近付け柔らかな唇を舐め、更増す欲情を抑え切れず、土方は唇を重ねる。

眠る銀時は反応せず、それでも土方は口付けを続けた。

「…ふ…ンッ…あ…」

銀時は薄ら目を開け、赤い瞳で土方を見詰める。

そして再び目を閉じ、土方の口付けに応え、舌を絡める。

土方の髪をまさぐり、激しく舌を吸い合って、銀時は土方を下に組み敷いてのし掛かると、固く屹立した土方の男根を探り当て、腰を落とし、自ら挿入した。

「アハァン…トシ…そんなに、俺が欲しい…の?」

「ああ?当たり前ぇの事、聞くな」

「そ…当たり前…なんだ…ンンンッ…こんな、固くして…寝ても覚めても…俺、欲しいんだ?」

銀時は土方の胸元に両手を着いて、激しく腰を揺すり立て、喘ぎ、呻きながら、躯を震わせる。

「擦って…」

土方は言われるままに銀時の男根を握り、銀時の動きとは逆にゆっくりと擦り上げる。

「フッ…ンッ…ぁん!
あん、悦い…」

土方が動きに合わせ、下から突き上げると、銀時はギュッと中を引き締める。

「あんま…締めんな…」

「はぁん…む、無理…気持ち悦い…」

土方の上で跳ねる銀時に

「無茶苦茶気持ち悦さそうだな」

呟く。

「ンッ、アッ…悦い、もっと、突いて…」

「そうか」

土方は躯を起こし、銀時を組敷いて太腿を担ぎ上げ、突き上げを繰り返した。

身悶え、涙する銀時を抱き締めて、土方は激しく腰を突き当てる。

「アンッ!悦いッ!トシっ!ンッンッ、いッイクっ!」

「早ぇえぞ銀時…」

「アンッ、トシぃい!」

銀時は強く土方に抱き着いてのけ反り、躯を震わせる。

「スゲェ、ヒク付いてんな…
気持ち悦いか…」

「うん。トシ、好き」

涙と汗で光る銀時の顔を撫で下ろし、土方は笑う。

「もっと、って言え」

「もっと…いっぱい…して
会えなかった分、いっぱい」

「何だ、寂しかったのか」

にやける土方。

「んな、訳ゃ、ねぇ」

しがみ付く銀時に土方は頷く。

「そうか、寂しかったのか」

「ちげぇ、バカ、」

銀時の白い肌は更に赤く染まった。

「嘘吐くんじゃねぇよ」

「嘘じゃねぇ…」

笑う土方に銀時は、小さく呟く。

「寂しかった」

と。

土方は聞こえていながら、気付かぬ振りをして銀時を抱いた。

 

 

 
一服する土方の隣でグッタリの銀時。

今だ躯はヒク付き、髪を弄るだけで銀時は小さく喘ぐ。

「まだ熱は引かねぇか…」

「触んな、」

「そんなに、疼くか…」

「知ってんだろ、ンッ」

爪先が掠める首筋にブルリ躯を震わせる。

「抱いてやろうか?」

土方はからかう様に言い、銀時は微かに首を振る。

「我慢すんなよ…
なぁ、銀時…」

土方は煙草を消し、背後から銀時を抱き竦める。

「ハァンッ、テメェ、どんだけ、ヤんだ…
発情期か…」

「ああ?
俺ァ、年中発情してんだよ、テメェにな」

首筋に唇を這わされ、銀時の躯は反応する。

「感じ易いなぁ」

「テメェ、もう、無理だから…
躯痛ぇえし、ケツの穴、痛ぇえ…」

「その割りにゃあ、勃起してるし、」

言いながら、土方は銀時のシリを撫で、穴に指を潜らす。

「吸い付く様だぜ」

「アァンッ、」

自ら放った精液で指が濡れるのも気にせず、土方は捏ね繰り回した。

「やぁ…」

「イカせてやるよ」

「やだ、やめッ、ンッ、アハァン…ト、トシ」

前立腺を強く柔く刺激され、銀時はあられもない声を上げ、土方に弄ばれ、射精せずとも、イキ果てる。

赤い瞳は蕩け、視線は定まらず、全身を痙攣させる銀時の口元に滴るよだれを拭い、土方は口付ける。

「いくらでもイケるぜ?」

「イヤ、ってんだ、ろ」

「まだまだだなぁ、口が利けるなら余裕だ」

「ひ、」

再び弄る土方の指に銀時は喘ぐ。

「い、良いから、もう、抜け、よ」

「泣くなよ」

「泣いてねぇ、ンッンッ、アァンッ」

銀時を仰向けにし、屹立した男根を握り、土方は泣きながら睨む銀時に笑い掛ける。

「可愛いな、銀時」

「ばっか、吐かせ、」

ゆっくり蠢く指、銀時は腰を揺すり、快楽を求め、唇から赤い舌を覗かせる。

固く張り詰めた男根を擦りながら土方は

「滴ってるぜ、前も後ろも」

呟く。

「エロい事、言ってねぇで、抱けよ
そのブッてぇので、俺を満たしてくれよ」

銀時は腰を突き上げ揺すり妖艶に笑った。

「そうだな、ヒク付いて吸い付いて、指だけじゃ勿体ねぇな」

土方は笑い返し、銀時の上にのし掛かる。

「アァン…」

土方の躯の重みでさえ、愛おしい銀時は、怠い腕を回し、土方を強く抱き締めた。

「可愛いな、銀時…
いつもこんぐれぇ、素直なら良いのによ」

「うっせぇ、」

土方は優しい笑みを浮かべ、銀時の中へ、ゆっくりと進んだ。

「アアッ、トシ…」

全身を包む疼きは、今や土方が蠢く個所に集中し、ヒク付きは益々増え、銀時は何も考えられないで土方に抱かれていた。

僅かばかりの間、会えなかった事が、こんなに辛いものとは思わなかった。

江戸の町にいて、何ヶ月も会えずにいる事等、常であったにも関わらず、宇宙を彷徨う間、思うは土方の事ばかりだった。

「トシぃ、」

譫言の様に繰り返し名を呼び、しがみ着く銀時の涙を、土方は快楽によるものと見ていた。

「そんな、悦いか?」

「悦い…トシぃ…アァン…」

銀時の涙を吸い、口付けて土方は

「会いたくて…会いたくて…仕方無かった…」

呟く。

「眠れねぇ夜、お前の事考えて、余計眠れねぇ…
何処で何してるか…
怪我してねぇか…
俺の事、気に掛けてくれてんのか…
会いたくて仕方無かった…」

土方の台詞に銀時は躯をヒク付かせ、土方を見る。

「ば、先に言うんじゃねぇ…
クソッ…
そんな切ない顔して言うんじゃねぇ…
クソッ…バカヤロー」

銀時の瞳が赤く煌めき、とめどなく涙を溢れさせた。

「銀時…」

愛おしくて堪らない感情に土方は銀時を強く抱き、銀時はしがみ着いて泣き顔を見せまいとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「案外、俺に惚れてんだな」

気分良さ気に言う土方に銀時は

「ケッ、調子にノってんじゃねぇ!
サービスだよ!
サービス!
誕生日のな!
俺がテメェに惚れてる訳ゃねぇ!
寝言は寝てから言え!
コノヤロー!!」

悪態吐く。

「なんだ…テレてんのか?
案外、ウブだな…」

更に満足した土方だった。

[ったく、コイツが恥ずかしげも無くンな事言うから、こっちが恥ずかしくなんだっつうの]

銀時は心の内で思い、頬を赤らめた。

 

 

 

 

 


土方Birthdayに寄せて…